WB HOWTO スタートガイド

ウェイクボードやってみたいな……と思ったら

無性に体を動かしたい、やったことのないスポーツに挑戦したい、好奇心とやる気が唐突に湧き上がる瞬間って誰にでもあるよね。
だけど、思い付きと実行の間には大きな壁がたちはだかる。どうやって乗り越えて向こう側に踏み込もうか……。
そこには少しの勇気と知識が必要。
もしあなたがウェイクボードを水辺の散歩で見かけたり写真や映像を見つけて、やってみたいと思った時にこのページが役に立ったらうれしい。
新しい景色を見るきっかけのお手伝いができたら最高。

トーイングショップを見つけよう

ウェイクボードをやる場所を、ウェイクボーダーは「ゲレンデ」って呼ぶ。
湖、川、海などの、動力船の走行が許可されているエリアでのみ、ウェイクボードは楽しむことができる。
もちろん、ボートを所有しているウェイクボーダーはかなり少数。ほとんどが「トーイングショップ」と呼ばれるウェイクボードのスクールに通っている。
一人でも、友達や家族と一緒でも、とにかく日にちを決めてトーイングショップに予約の連絡をするところからスタートしよう。
自宅から近いところ、電車でも行けるところ、初心者体験コースがあるところなど、自分なりの条件をピックアップして探すのがベスト。
初回の予約は電話受付がほとんどだけど、LINEやメールでも受付しているショップもあるので、公式サイトをチェック。
気になることがあったら、予約の時に聞いておこう。

いよいよウェイクボーダーデビュー

ほとんどのショップでウェットスーツのレンタルがあるので、水着とビーチサンダル、タオルや飲み物など、準備はプールに行く感覚でOK。
指定された集合場所に着いたら、あとはインストラクターが案内してくれる。
ボートに乗り込んで、まずは水上から見える景色を楽しもう。

ウェイクボードは一人じゃできないスポーツだから、ドライバーがいるのは当たり前だけど、全く知らない人とボートに乗り合わせることが多々ある。
もしかしたら、知らない人と一緒は嫌って意見が多いかもしれない。
でも、一緒に乗り合わせた人から得るものって実はとても大きくて、例えばあなたが挑戦する前にお手本を見せてくれたり、慣れない動作の手助けをしてくれたりする。
小さい画面で見るYouTubeより、自分の目で見るイメージは身体の動きに直結する。
しっかりイメージングして、ボートをドライブするインストラクターの話をよく聞いて、水の上に立つ感動を味わおう。
ウェイクボードは想像よりずっと体力を要するスポーツ。
たいていのショップの料金設定は15分を2セットが基本で、短いなあと思うかもしれないけど、15分もたない人も珍しくない。
2トンを超えるウェイク専用のボートに引っ張られるのを想像してみて。両足にはボードが固定されていて、水の抵抗もある。
翌日の筋肉痛を味わったら、きっと納得すると思うよ。

水の上に立って水面を楽しむ

ウェイクボードは高く飛んでグラブしたり、縦に横に回ったり、そういう映像や写真が印象的だけど、誰でも最初は水面に立って、まっすぐすべることから始まる。
「ウェイクボード 立ち方」で検索すればたくさんの人が動画をアップしているので、まずはYouTubeでイメージングすることをおススメする。
そのうち、ベストな動画を見つけてここで紹介するので、少し待っていてほしい。
今は文章でどれだけ伝えられるかわからないけど、ちょっとしたコツを書いていくことにしよう。

インストラクターの話をよく聞こう

インストラクターは年間を通して、驚くほど多くの人にウェイクボードを教えている。
自分がライディングするのと同じくらい、コーチングに情熱を持つインストラクターがほとんど。
ウェイクボードを楽しんでほしいから、一生懸命教えてくれる。あなたに合ったアドバイスをしてくれる。
だから話をよく聞いて、どうしたらアドバイス通りにできるか、心を落ち着かせて挑戦しよう。

ボートの力にはかないっこない

さっきも書いたけど、ウェイク専用艇は2トンを超すボートがほとんど。
引っ張り合いしてかなうわけないんだから、ハンドルを引き込みすぎるとバランスを崩してしまう。
肩の力を抜いて、お腹に力を入れて、腕をまっすぐ前に伸ばす。
ボートが引っ張る力にゆだねよう。

急いで立とうとせず、まずはボードの上にしゃがむ

立つことに失敗すると、当然ハンドルが手から離れる。ボートは減速してUターンしてあなたのところに戻ってくる。
ほんの数分だけど、水の中で待つのは少し長く感じる。
早く立って水の上をすべりたい!その気持ち、すごくよくわかる。
でも焦りは禁物。焦って立ち急いでしまうと、ハンドルは水の上を跳ねながら、またあなたから遠く離れていく。
ドライバーがあなたに声をかけてボートが動き出す。ボードについたフィンが進行方向に向けてくれたら、まっすぐ伸ばした腕を意識して、一度ボードの上に座り込んでみよう。
暴れだそうとするボードを左右均等に、足の裏でしっかりと踏みしめる。
地面にしゃがむイメージで、お尻の重さで安定させる。後ろにもたれないことも大切。
安定するまで座り続けて、ゆっくりと真上に立ち上がろう。前後左右、ボードの真ん中にいることをイメージしてみて。

自由自在に移動したい

立ち上がれたら上半身はリラックス、軽く膝を曲げて重心は腰、手は伸ばしていて大丈夫。
少し余裕が出たら足元の水しぶき、ボートから手を振っている仲間や、ゆっくり流れる景色を眺めてみよう。
ここであなたは、ウェイクボードはまっすぐすべるだけのスポーツじゃないことに気づくはず。
ボートが作る曳波は、真ん中をすべるあなたを挟んで左右に白い線を描いている。
ここはすべての動作をゆっくりおこなうことが大切。急に大きく動くとバランスを崩してしまうので、まずはゆっくりかかと側にもたれてみよう。
するとボードが進行方向を変えて白い曳波が近づいてくる。
曳波の上は水の力が強い場所、気を抜くとパワーにのまれてハンドルが取られてしまう。しっかりと脇を締めて、曳波のカーブを膝で吸収するイメージで乗り越えてみよう。
進行方向を見て、ラインをピンと張ったままいけるところまで曳波から離れてみると、見える景色が違うはず。そして、ゆっくり方向転換、かかとにかけた体重をそっと抜いてみて。するとロープのテンションで曳波の近くに戻ってくる。
パワーの強い曳波をもう一度、膝をクッションにして乗り越えられたら「ウェイクボードのスラロームできたよ!」って言える。
反対側の波を乗り越えるのは、つま先側に体重をかけるんだけど少しコツが必要。あなたをトーイングしてくれているインストラクターがきっと丁寧に教えてくれるから、広く大きく気持ちいいスラロームができるようになってほしい。

どんな上手いライダーもスタートはここから。
水の上を自由にすべる楽しさを味わったら、もうウェイクボードの沼にはまったも同然。
さあ、果てしなく広がる「WAKEBOARD TRICK」の海に漕ぎ出そう。

ウェイクボードの楽しみは“RIDE&TRICK”

ウェイクボード基礎用語

ウェイクボード基礎用語

ウェイク (ウェイキー)

ボートが作る曳波。1ウェイクジャンプ、オフ・ザ・ウェイクなどトリック名にも使われる。

トーイング

towing=牽引。ショップ名によく使われているが、ボートを運転してライダーを引っ張ることをトーイングという。

レギュラー/グーフィー

ウェイクボードは横乗り(サイドウェイポジション)なので、必ずどちらかが進行方向の前足になる。左足前はレギュラースタンス、右足前はグーフィースタンス。

ヒールサイド/トーサイド

ヒールはかかと、トーはつま先。ヒールサイドジャンプはかかとエッジで、トーサイドジャンプはつま先エッジで踏み切るジャンプ。

オーリー

曳波を使わないジャンプ。体重移動でボードに反動をつけて飛ぶ。

グラトリ

グラウンドトリックの略。オーリーでスピン、曳波の手前で進行方向を切り返すオフ・ザ・ウェイク、曳波の上でボードをスライドさせるリップスライドなど、曳波を使わないトリック。反動をつけて飛ぶ。

グラブ

ウェイクジャンプやオーリーで飛んでボードをつかむトリック。前手、後手、つかむ場所によって名前がつけられている。の上でボードをスライドさせるリップスライドなど、曳波を使わないトリック。反動をつけて飛ぶ。

インバート

縦回転。バックロール、タントラムなどはベーシックインバート、横回転を加えると3Dインバート。

スピン

横回転。半回転180(ワンエイティ)、1回転360(スリー)、1.5回転540(ファイブ)、2回転720(セブン)。回転方向によってトリックがことなる。

フロントサイド/バックサイド

スピンやインバートでの回転方向。進行方向に回すのがフロントサイド、逆がバックサイド。

ライン

ボートとライダーをつなぐロープ、持ち手はハンドルと呼ぶ。1フィートは約30センチ。初心者は55~60ft、上達するにつれラインを長くしていく傾向。長くするほど曳波の幅が広くなるので飛距離が必要。ボートやスピードによって長さを変えたり、新しいトリックを練習するときはラインを短くすることもある。

コンディション

水面の状況。水面がいいと「ベタ面」「ベタベタ」、荒れた時は「荒れ面」「ババ荒れ」。

バラスト

ボートにたくさん人が乗ると喫水が下がり、曳波が大きくなる。ウェイクを大きくするために積む重りをバラストという。ポリタンクやファットサックなどに水を入れるほか、バラスト機能がついているボートもある。

ダブルアップ/ウィップ

コースの折り返しで旋回する際、波と波がぶつかる部分はウェイクのパワーが大きくなる。進入のタイミングが難しいが、当たると高く飛べるのがダブルアップ。旋回の外側にできる波がウィップ。

バッジテストを受けてみよう

練習していくうちにできること、できるトリックがどんどん増えていくのがウェイクボード、ウェイクサーフィンの醍醐味。
自分のレベルを知りたい、そう感じた時にスキルを可視化できるのがJWCAのバッジテストです。
バッジテスト受検の練習も上達につながるので、気軽に挑戦してみよう!